47歳からの心理学学習帖

週末研究者の研究ノート。キャリアカウンセリングを中心に、心理学、社会学などのトピックを取り上げていきます。過去記事には東京未来大学在籍時の学習ノートをそのまま残しています。

おとなの学習

昔は、社会人になるまでが勉強で、社会人となった後は仕事に専心することが主流でした。そんな時代は確かにあったのです。年功序列、終身雇用、手厚い社会保障と恵まれた企業保障の獲得が幸福なキャリアとされていた時代。そうした待遇を手に入れるために、受験競争を勝ち抜いていくことが必要だったのです。

そうした時代にはおとなの学習といえば、もっばら酒場で上司や先輩の説教や自慢話を聞くことでした。誰にくっつくのが得なのかの情報を得るためには、そうした場に参加しておく必要があったのです。


そんな時代から30年が経とうとしています。


おとなの学習は、その場も内容も格段に拡大しています。

そりゃそうです。

私たち大人の知識もスキルも学習を続け、常に自分をリニューアルしていかなくては時代から取り残されてしまうからです。


今の若い世代とは育ってきた環境が違いすぎるのです。


私たちの若い頃には、大学でプレゼンやグループワークなどやらなかったし、議論は相手を言い負かすことだと教わってきました。30年も経つと、大学で教わった知識は陳腐化して当然です。

昔は企業も人を育てる余裕がありました。なので、学歴さえ見ておけば、先輩にくっついておけば特に問題なかったのです。


今は、新卒にも即戦力が求められます。

もちろん、すぐに先輩並の働きが求められるというわけではありません。ただ、昔よりも早く、一人前であることを求められています。なので、彼らも学生時に、パワーポイントを使ってプレゼンやったり、グループワークのファシリテーションを身につけていたりしています。パソコンなんて使いこなせて当たり前。今あげたところでいえば、中堅よりもよほど上手い新卒はそこそこいます。


私たちおとなにこそ、柔軟に環境に適応していくことが求められているのだと痛感せざるをえません。

昔のおとなといえば、今の若いもんは、と口癖のように言っていたものですが、いまの大人はそんなことはいいません。ひとつには、そう言ってしまうと自分をジジくさいと感じるということもありますが、むしろ、言えないのだと思います。この間も大学生が酒飲んで悪さしたニュースが流れていましたが、今のおとなはもっとハチャメチャでした。