アドラー心理学の拡がりについて
岩井俊憲さんの著書リストを見ても、アドラー心理学は、臨床カウンセリング、子育て、ビジネス、男女関係と、幅広く応用されうることがわかります。
このアドラー心理学の面の拡がりは、書名にアドラーとついていなくても察知することがあります。
その点で、今気になっているのは、発達障害と組織開発。
発達障害はアドラーの器官劣等性、劣等コンプレックスと、組織開発は共同体感覚との結び付きを意識することがかなりあります。
組織開発は、もともと、心理学に興味を持ったきっかけが組織心理学だったので、アドラーを経由して戻ってきたようなものですが、発達障害は今まで触れてこなかったところです。ただ、アドラー心理学から捉えると、発達障害はむしろ、自分自身ともつながっているという思いが強くなってきています。
もちろん、実際に発達障害で苦しまれている方たちが日々感じられている悩みは、私には想像しかできないのですが、支援の手がかりがアドラー心理学にはあるように思われます。
先日も、切符も買えない、バスにも乗れないという話を聞いたばかりなのですが、切符を買う、バスに乗る、それらができるようにする方策がアドラー心理学にはあります。行動療法にもそれはあるのですが、障害を抱えている人へのアプローチは、その人だけではなく、その人を取り巻く人間関係にも働きかけていく必要があり、それをアドラー心理学は示している。