日商簿記〜慣れ優先の学習方法
心理学では、宣言的記憶、手続き的記憶などの記憶の分類があります。
宣言的記憶とは概念的な知識、手続き的記憶は自転車の乗り方など、身体で覚える類いの知識のようです。
この二つは、学びを始めるにあたって、ヒントになりえます。
そこで、私事ながら、自分の経験を例に考えたいと思います。
まずは、簿記です。
結論から言うと、3級、2級あたりまでは、簿記は、手続き的知識の典型だと思います。
つまり、覚えるよりは慣れろ、というのが最適な学習法なのではないか。
簿記は、学習した方はご存知でしょうが、この場合にはこうするという処理の仕方が問われるものです。
仕訳や試算表作成、決算処理など、手続きの正確さと速さが問われるので、教科書を何度も読むというよりは、問題集を電卓叩きながら何問解いたかが重要です。
貸倒引当金の意味を知っているだけでは点数は取れません。その仕訳が出来て点数につながります。
簿記の良さは、手続きのルールが決まっていて、また、表のフォーマットも決まっているため、それらルールに則って処理ができるかどうかの試験です。問題を解きながら覚える。さらに電卓を叩きながら、解答のスピードを上げていく。頭で覚えるよりは手で覚える。自転車の乗り方を覚えるのと似て、手続き的記憶の学習法が適している。
ただし、その学習法は、2級までは通用するのですが、1級になると、効率が悪い面が出てきます。
会計学なるものが出てくるからです。
これは、体系的な理屈の話なので、その体系を理解し、説明できるようにする必要がある。2級までは、出された問題の処理が合っていれば良かったが、1級では、◯◯を説明しろという問題が出てくる。
ある意味、会計学が1級の鬼門だと思いますが、ここは学習法を切り替えないといけない。
会計学は、もう一つの宣言的記憶に属するものです。なので、慣れではなく、理解を深める学習法を取らないといけない。
知識の関連づけが重要になります。
心理学でいう記憶の分類は、他にも、作業記憶やエピソード記憶などもあるのですが、学習法を考えるのに、とても役立つという話ですが、要は、今から学ぶことは、どの記憶を使えばいいのかによって、それにあった学習法を選んだ方が、楽ということです。
参考までに、高校生向けではあるのですが、勉強する社会人にとっても、非常にためになる2冊を紹介しておきます。
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