47歳からの心理学学習帖

週末研究者の研究ノート。キャリアカウンセリングを中心に、心理学、社会学などのトピックを取り上げていきます。過去記事には東京未来大学在籍時の学習ノートをそのまま残しています。

キャリアコンサルタント試験に役立つ本

キャリアコンサルティング試験合格に役に立った本をご紹介。

 

先ずは定番ですが、

キャリアコンサルティング 理論と実際 4訂版

キャリアコンサルティング 理論と実際 4訂版

 
新版 キャリアの心理学―キャリア支援への発達的アプローチ

新版 キャリアの心理学―キャリア支援への発達的アプローチ

 

 この2冊は必読です。試験作成担当者のネタ本ではないかと思うくらい。

これからの試験では、次の本も外せないでしょう。 

新時代のキャリアコンサルティング―キャリア理論・カウンセリング理論の現在と未来

新時代のキャリアコンサルティング―キャリア理論・カウンセリング理論の現在と未来

 

 

上記3冊は、試験に直結するものですが、いきなり読み進めようとするにはハードルがあるなあと感じる場合、キャリアコンサルタントって?というイメージがつかめる本が役に立ちます。それには次の3冊がオススメです。

 

キャリアカウンセリング (21世紀カウンセリング叢書)

キャリアカウンセリング (21世紀カウンセリング叢書)

 

宮城先生のこの本も定番ですね。

この本を読んでから、木村先生の「理論と実際」に進むのもアリです。

キャリアカウンセリング再考―実践に役立つQ&A

キャリアカウンセリング再考―実践に役立つQ&A

 

「再考」と書かれていますが、カウンセリングとは? キャリアカウンセリングとは?から、実践や将来ビジョンを考えるにも役立つ本です。

また、キャリア理論をどのように活用するのか、といったことも書かれているので、養成講習で学んだ知識を整理するヒントも得られるのではないかと思います。

会社と個人を元気にするキャリア・カウンセリング

会社と個人を元気にするキャリア・カウンセリング

 

金井壽宏先生の編著によるもので15年ほど前の本ですが、様々な論者によるキャリア論は、自分なりに理論を整理するのにとても役に立ちます。

この本で、金井先生は組織開発、トランジション(転機)についてまとめているのですが、「企業内キャリアコンサルタント」への期待が大きいことを考えると、そこにもヒントが隠れていそうです。

 キャリアコンサルタントを受けてみようかと資格取得を考えている人は先ずこの本を紐解いてみるのがオススメです。

キャリアコンサルタントがどんな資格なのか、試験はどんな内容かを余さず把握できます。また、現役コンサルタントのレポートは、イメージを膨らませるのに非常に有益です。

試験の内容に合わせて、情報源(厚労省資料など)が掲載されているのも便利。

 

キャリアコンサルタントもそうですし、他の資格でもそうですが、この資格をとってどんな仕事をやっていくのか、具体的なイメージを持っておくことは、学習の支えになります。その資格を取得した方たちの語りは、イメージを膨らませるための題材になります。

 

キャリコンの力 キャリア・コンサルタントの人間力と能力 (Parade books)

キャリコンの力 キャリア・コンサルタントの人間力と能力 (Parade books)

 
キャリアカウンセリングとメンタル 心に不安を抱える人へのサポート力向上に (Parade books)

キャリアカウンセリングとメンタル 心に不安を抱える人へのサポート力向上に (Parade books)

 

 

私の場合、松尾さんから影響を受け、自分なりのキャリアコンサルタントのイメージを模索している最中ですが、キャリアコンサルタントって、こんな仕事もするんですね、ということが上記2冊でよく分かります。仕事はお客さん=クライエントがいらっしゃってこそやれる、キャリアコンサルタントだからできるということではないんですね。松尾さんは、目の前のクライエントの問題を解決することを一心に学びを続け、仕事の幅を広げていらっしゃいます。

 

キャリアコンサルタント試験での実技に役立つ本をいくつか挙げておきます。

 

傾聴術―ひとりで磨ける“聴く”技術

傾聴術―ひとりで磨ける“聴く”技術

 
プロカウンセラーの聞く技術

プロカウンセラーの聞く技術

 

 

傾聴に関する本では、この2冊が定番だと思います。

古宮さんの傾聴に関する本は何冊かありますが、私はこの本が説明が一番シンプルで、またワークブックにもなっているという意味で、とてもいい本だと思います。

東山さんの「聞く技術」も非常に参考になります。

 

カウンセリングの技法

カウンセリングの技法

 

 40年近く前の本ですが、有名な「コーヒーカップ方式」はこの本に書かれています。

 

ここまでは結構、キャリアコンサルタントに関する他のブログでも重複している本が多いと思います。

次の2冊は、あんまり見かけないと思いますが、実は一番学科でも実技でも応用がきく本です。

 

生きるために大切なこと

生きるために大切なこと

 

 アドラー本は色々と発刊されていますが、それらの大半は、アドラーを引用しながら自説を展開しているものが多いと私は思っています。もちろん、向後先生の「幸せな劣等感」のように例外もあるのですが、読んでいるとアドラーが言っていることなのか、著者が言っているのかわからなくなることがあります。

アドラーの翻訳も色々ありますが、最も読みやすいのが、この本です。

アドラーがなぜ、応用が効くかというと、キャリア理論でもカウンセリング理論でも、アドラーが言っていることに近いものが多いからです。私は、アドラーを読むことで、いろいろな理論がアドラーに紐づけて整理できました。

 

こころの処方箋 (新潮文庫)

こころの処方箋 (新潮文庫)

 

 河合先生は、他にも「カウンセリングの実際問題」など、カウンセリングに関する本を書かれていますが、私はその中でも、この本が一番参考になりました。簡潔な表現で書かれていますが、実技ではそれが一番役に立ちます。ただ、中身はとても深い。のっけから「他人と分かり合えるはずがない」と言い放たれるところから始まりますが、一方で、「人間は他人との共感を求めずにはいられない」とも先生は指摘します。いきなり、ポーンと投げ出された気分になります。そこにこの本の奥深さがあります。理屈では理解できないところがあります。でも、ひとの心理って理屈じゃないですもんね。

 

参考にしていただければ幸いです。