47歳からの心理学学習帖

週末研究者の研究ノート。キャリアカウンセリングを中心に、心理学、社会学などのトピックを取り上げていきます。過去記事には東京未来大学在籍時の学習ノートをそのまま残しています。

木原雅子さんの出張授業

おととい、夜、何気にテレビのチャンネルを回していて、そのまま、引き込まれるように、Eテレ でこの番組を観ました。

キミのこと聞かせてよ~木原雅子さんの出張授業~

再放送のようです。

「変わったのかどうかはわからない。けれど、あの子たちが自分で自分のいいところを出せるようになってきた」

大分、延岡の中学校。
中学2年のあるクラス。
木原さんは、まず、生徒たちの話を聴くところから始めます。それも一対一ではなく、3〜4人のグループ単位。ジュースやお菓子を準備し、テーブルにはヌイグルミが置かれている。生徒たちが話やすいように気を使っている。
生徒たちの話もそのまま受けとめる。目線を生徒に合わせて聴く。
生徒たちは、先生のこと、クラスのことなど、仲間うちでしか話さないようなことを、木原さんの前で話していく。
話終わった後の女子生徒が、なんかスッキリしたと言ってました。話をしっかり聴いてもらったという充足感が、その表情からも感じ取れます。

こうした対話を何回か重ねながら、そこで聴き取ったことを解析し問題を整理し、具体的な方策を取っていく。
授業としても、思春期特有のからだやこころの変化のこと、セックスのことなどもきちんと伝えていく。
そういった、ある意味、科学的なアプローチに加え、日常的なかかわりもとっている。
木原さん自身がトイレ掃除をしている。それを見た女子生徒が自分も手伝うとスポンジでタイルを磨きはじめる。
このような日常的なかかわりのひとつにプチスタという、プリントが展開され、それを媒介に、学校の先生と生徒たちとの交流も拡がっていく。

最後には、クラスのまとまりもでき、仲間意識も生まれ、生徒たちの表情も、木原さんが介入する以前とはまるで違ってくる。

生徒たち一人ひとりが、自分で自分のいいところを出せるようになった。

木原さんは、ご自身の言葉を借りれば、そのための手助けをしたということなんだと。

支援することとはどういうことか?
ひとの自発性を引き出すためには?